会議資料や企画書のたたき台をAIで作る:小さな会社の始め方と注意点

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目次
  1. 会議資料・企画書のたたき台は、なぜAIに手伝わせやすいのですか?
  2. AIで会議資料を作る前に、人は何を整理すればよいですか?
  3. AIが作ったたたき台は、どう直して確かめればよいですか?
  4. たたき台は「叩くための台」として使う
  5. 数字・事実は、元のデータと照らし合わせる
  6. 会議資料や企画書を作るとき、機密はどう扱えばよいですか?
  7. 社内では、どんな段取りで小さく試せばよいですか?
  8. よくある質問
  9. AIが作った企画書を、そのまま取引先に出してもいいですか?
  10. 売上の数字を入れないと、たたき台が作りにくくありませんか?
  11. スライドの形まで、AIに作ってもらうことはできますか?

結論から言うと、小さな会社の会議資料や企画書は、「何のための会議か」「何を決めたいか」を人が先に整理し、AIには構成と文章のたたき台だけを作らせ、人が直して仕上げる形にすれば、今日からでも始められます。そのうえで「数字や事実は元のデータで確かめる」「機密はAIに入れない」の2つを、使い始める前に社内で決めておくことが大切です。

会議資料・企画書のたたき台は、なぜAIに手伝わせやすいのですか?

箇条書きのメモを、見出しのついた資料の骨組みに並べ直すのが、AIの得意な作業だからです。

会議の前日、白紙の資料を前に「何から書けばいいか」で手が止まる。小さな会社では、社長や担当者がほかの仕事の合間に資料を作ることが多く、この最初の一歩に時間がかかりがちです。

AIが得意なのは、箇条書きのメモを「見出しのついた資料の骨組み」に並べ直すことです。目的や論点を短く伝えると、「背景」「課題」「提案」「進め方」のような構成案と、それぞれの見出しの下に入れる文章の下書きを出してくれます。ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotといった一般的なAIアシスタントで試せます(機能や料金は変わることがあるので、各サービスの公式ページで確認してください)。

なお、会議が終わったあとの日報・議事録・社内連絡のまとめ方は、札幌の小さな会社がAIで日報・議事録・社内連絡を整える方法で紹介しています。この記事は、その手前の会議の「前」の準備を扱います。

場面 AIに渡す材料 AIに作らせるもの
会議の前(この記事) 目的・論点・決めたいことのメモ 資料や企画書の構成案、文章のたたき台、想定される質問
会議の後 文字起こし・メモ 議事録、決定事項と担当者の一覧

一方で、何を提案するか、どの数字を使うか、どう判断するかを決めるのは会社の人です。AIは、それらしい内容で空欄を埋めてしまうことがあります。役割を分けておくのが出発点です。

AIで会議資料を作る前に、人は何を整理すればよいですか?

会議の目的、決めたいこと、読み手、使う数字・事実を、人が先に表に整理しておきます。

AIに頼む前に、次の表を埋めておくと、たたき台が自社の事情に合ったものになりやすくなります。空欄のまま頼むと、AIがどこの会社にも当てはまる一般論で埋めてしまうからです。

整理する項目 誰が決めるか AIに任せられること
会議・企画の目的(何のためか) 会社 一文で分かりやすく言い直す
決めたいこと・論点 会社 論点の抜けがないか、質問の形で指摘させる
読み手(社内・取引先・役員など) 会社 読み手に合わせた言葉づかいに整える
使う数字・事実 会社(元データから) 書き写して並べるだけ。数字は作らせない
構成と見出し AIに案を出させ、人が選ぶ 構成案を2〜3通り出す

整理ができたら、たとえば次のように頼みます。

たたき台を作らせるとき

社内の定例会議で、来月から始める新しいサービスの進め方を決めたいです。目的は「担当者と開始日を決めること」、論点は「人手が足りるか」「告知をいつ始めるか」の2つです。出席者は社員5人です。A4で1〜2枚の会議資料の構成案と、見出しごとの文章のたたき台を作ってください。数字は入れず、数字が必要な箇所は「(数字を入れる)」と書いておいてください。

抜けや疑問点を洗い出させるとき

次の企画書のたたき台を読んで、読み手が疑問に思いそうな点を5つ、質問の形で挙げてください。答えは書かなくてかまいません。(たたき台を貼る)

読み手に合わせて言葉づかいを直させるとき

上の構成案を、取引先に説明する場面向けに、言葉づかいだけ丁寧に直してください。内容は足さないでください。

「数字は作らせない」「内容は足さない」とはっきり伝えることがポイントです。

AIが作ったたたき台は、どう直して確かめればよいですか?

自社の状況に合わせて人が書き直し、数字や事実は元のデータや出どころの分かる資料で確かめます。

たたき台は「叩くための台」として使う

AIの出す構成や文章は、よくある形をなぞった一般的なものになりがちです。自社の事情、取引先との経緯、社内でこれまで話し合ってきたことは、AIには分かりません。

  • 提案の中身が、自社の状況や方針と合っているか
  • 「〜が期待できます」「大きく改善します」など、根拠のない言い切りが混ざっていないか
  • 会議で本当に決めたいことが、資料の最初に書かれているか

この3点を、担当者が自分の言葉で書き直してください。たたき台は「ここから直すための材料」であり、完成品ではありません。

数字・事実は、元のデータと照らし合わせる

AIは、売上や市場の規模、統計の数字、法律や制度の説明を、もっともらしく書き足してしまうことがあります。資料に数字や事実を載せるときは、次の手順で確かめます。

  1. 売上・費用・件数などの社内の数字は、会計ソフトや管理表など元のデータから人が書き写す
  2. 市場の規模や統計は、官公庁や業界団体など出どころの分かる資料で確かめ、資料に出典を書く
  3. 制度や法律に関わる説明は、所管する役所の公式情報や、税理士・社会保険労務士などの専門家に確認する
  4. AIが挙げた出典は、実際にその資料に書かれているかを自分で開いて確かめる

数字の入った資料は、作った人とは別の人がもう一度見直すと、写し間違いに気づきやすくなります。

会議資料や企画書を作るとき、機密はどう扱えばよいですか?

取引先名・個人名・未発表の計画・売上の数字は、AIに入れないか伏せたうえで、社内ルールとして先に決めておきます。

会議資料や企画書には、売上や原価、取引先の名前、新しい商品の計画、人事の話など、外に出せない情報が集まりやすいものです。これらをそのままAIに貼り付けないことを、社内ルールとして先に決めてください。

ルールは、次の3行くらいから始めれば十分です。

  1. 取引先名・個人名・未発表の計画は、「A社」「担当者」「新商品X」のように伏せてから入れる
  2. 売上や原価などの数字はAIに入れず、たたき台では「(数字を入れる)」としておき、人が後から書き入れる
  3. 秘密保持契約(NDA)のある案件は、契約でAIへの入力が認められているかを確かめ、認められていなければ外部のAIサービスに入れない

また、無料プランなどでは、入力内容がAIの学習に使われる設定が初期状態になっていることがあります。仕事で使う前に、学習に使わない設定やビジネス向けプランがあるかを公式ページで確認してください。伏せ方の具体的な型は、社外秘をAIに入れないための3つの型で詳しく説明しています。

社内では、どんな段取りで小さく試せばよいですか?

次の定例会議の資料を作る担当者が、まず1回試すところから始めます。

  1. 担当者を決める。 次の定例会議の資料を作る人が、まず1回試す
  2. 目的・論点の表を埋める。 上の表を使い、決めたいことを1〜2個にしぼる
  3. AIでたたき台を作る。 「数字は作らせない」「機密は伏せる」を守って頼む
  4. 人が直して、数字を書き入れる。 元データと照らし合わせ、別の人が見直す
  5. うまくいった頼み方を残す。 次の会議で使えるよう、社内の共有フォルダにためる

この流れは、社内マニュアルをAIで作ると同じ「下書きはAI、判断と仕上げは人」の考え方です。まずは次の会議の目的と論点を、上の表に1枚書き出すところから始めてみてください。何を決めたいかがはっきりしていれば、AIのたたき台はぐっと使いやすくなります。勉強会の日程は決まりしだいお知らせします。

よくある質問

AIが作った企画書を、そのまま取引先に出してもいいですか?

おすすめしません。AIは一般的な内容や、根拠のない言い切りを書き足すことがあります。自社の事情に合わせて人が直し、数字や事実を元データで確かめてから出してください。

売上の数字を入れないと、たたき台が作りにくくありませんか?

構成と文章のたたき台は、数字がなくても作れます。数字が入る場所を「(数字を入れる)」としておき、人が後から書き入れれば十分です。どうしても数字を使って考えたいときは、実際の値ではなく「前年より1割ほど多い」のように丸めて伝える方法もあります。

スライドの形まで、AIに作ってもらうことはできますか?

サービスによっては、スライドの形で出力できるものもあります。ただし、できることはサービスやプランによって違い、変わることもあります。まずは文章の構成案を作り、いつも使っている資料作成ソフトに写して整えるところから始めると、無理がありません。

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