札幌の飲食店がAIで最初にやること3つ|メニューの多言語化・口コミ返信・SNS投稿

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結論から言うと、札幌の飲食店がAIでまず試すべきことは、メニューの多言語化の下書き・口コミへの返信の下書き・SNS投稿文の下書きの3つです。どれも無料〜低コストの一般的なAIアシスタント(ChatGPT、Gemini、Claudeなど)があれば、明日から一人で始められます。そして3つとも「下書きまで」です。最後に人が確認する、という前提を外さなければ、今日からお店の負担を減らせます。
なぜこの3つなのか
札幌には国内外から多くの観光客が訪れます。飲食店の現場では「英語のメニューがない」「口コミに返信する余裕がない」「SNSを更新したいが文章を考える時間がない」という悩みがよく挙がります。どれも、専門知識がなくても、忙しい営業の合間に少しずつ進められる仕事です。
共通しているのは、ゼロから作るのではなく、AIに下書きを作らせて、人が直すという進め方です。経営者やスタッフがいちばん詳しいのは、自分の店のメニューの中身、お客様とのやりとり、お店の雰囲気です。AIが得意なのは、それを文章の形に整えることです。役割を分けて考えると、使いどころがはっきりします。
1. メニューの多言語化はAIでどう始める?
まず、よく出る1品の料理名と説明文をAIに英語・繁体字・韓国語へ訳させ、アレルギー・価格・酒類の表記だけは人が確認します。 外国語メニューを一から作ろうとすると、翻訳会社に頼むにしてもお金と時間がかかります。まずはAIに下書きを作らせて、自分の店の言葉で直すところから始めてみてください。
コピーして使える例文です(【 】の部分を差し替えてください)。
札幌のラーメン店のメニューです。次の料理名と説明文を、英語・繁体字・韓国語に翻訳してください。観光客にも分かりやすい、やさしい言い回しにしてください。【ここにメニュー名と説明文を貼る】
「スープカレー(チキン)」「ジンギスカン定食」の料理名と、30字程度の説明文を英語で作ってください。初めて食べる観光客にも、どんな料理か伝わるようにしてください。
「味噌ラーメン」「煮卵トッピング」「辛さ普通」のように、料理名・トッピング名・辛さや量の選択肢を、短い単語で翻訳してください。メニュー表に並べて使います。
ここで必ず押さえておきたいのが、AIの翻訳はまちがえることがあるという点です。特に次の3つは、お客様の安全やお店の信用に直結するので、翻訳後に必ず人が確認してください。
- アレルギー表記(えび・かにを一括りに “shellfish” と訳してしまう、「乳」を訳し落とすなど、訳し分けの誤りは健康被害につながりかねません。表示する場合は正確さが前提です。AIは翻訳はできても、料理に何が入っているかは分からないため、原材料の確認は必ずお店で行ってください)
- 価格の表記(日本円の税込総額で表示する。外貨換算の金額は為替で変わるので載せない。桁の誤りがないか)
- 酒類の表示(20歳未満の方への酒類提供はできない旨の注記など。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています)
また、AIは翻訳のときに「新鮮な」「北海道産」「札幌で一番」「本場の」など、元のメニューにない言葉を足すことがあります。産地・品質・ランキングに関わる言葉は、事実と違うと景品表示法の優良誤認にあたるおそれがあるので、元の日本語にない言葉が増えていないか確認してください。
できれば、翻訳後の文章を、その言語が分かる知人やスタッフ、あるいは別のAIサービスにもう一度見てもらうと安心です。一つのAIの答えをそのまま信じきらない、という姿勢が、多言語対応では特に大切になります。
2. 口コミへの返信はAIにどう頼む?
届いた口コミの内容を、お客様の名前を伏せてAIに渡し、返信文を3パターン作らせて、人が選んで直します。 Googleマップなど、お店が返信できる口コミサービスで、どう返信すればいいか迷って結局放置してしまう、というのは飲食店でよくある悩みです。
AIに下書きさせる場合は、口コミの内容を伝えて、こう頼んでみてください。
当店にこのような口コミが届きました。【届いた口コミ本文(氏名は伏せる)。例:「料理は美味しかったが、提供が遅かった」】。お詫びと感謝の両方が伝わる、丁寧な返信文を3パターン作ってください。言い訳がましくならないようにしてください。
星5のお礼の口コミに対する、短く温かい返信文を考えてください。毎回同じ文面にならないよう、言い回しを変えたものを5パターンお願いします。
ここでの注意点は2つです。
1つ目は、個人情報を書かないことです。返信文に、お客様の氏名・予約時の電話番号・担当したスタッフの個人名などを書き込むのは避けてください。AIに入力する際も同様で、固有名詞は「お客様」「担当スタッフ」のように伏せて渡すほうが安全です。
2つ目は、より重要な注意です。AIに「良い口コミ」を作らせて投稿することは絶対にしないでください。 実際に来店していない口コミ、お店や関係者が自作自演で投稿する口コミは、景品表示法のステルスマーケティング規制(2023年10月施行)に触れるおそれがあり、内容によっては優良誤認表示にもあたります。各口コミサービスの利用規約でも明確に禁止されています。「口コミを書いてくれたら1品サービス」のように、特典と引き換えに投稿をお願いするのも、同じ規制や規約に触れるおそれがあるので避けてください。AIを使ってよいのは、実際に寄せられた口コミへの返信を整えることだけです。この線引きは、どれだけ便利でも越えてはいけません。
3. SNS投稿文はAIにどう作らせる?
写真の内容と、伝えたい情報(品名・数量・期間など)をAIに伝えて、投稿文の候補を3つ出してもらいます。 本日のおすすめ、季節限定メニュー、営業時間の変更。こうした投稿を毎回一から文章を考えていると、それだけで時間が取られます。AIに下書きを作らせれば、写真を撮って、情報を伝えるだけで投稿文の候補ができます。
本日の日替わりメニューは「秋鮭のムニエル、数量限定10食」です。Instagram用の投稿文を、絵文字を少し使って、観光客にも地元のお客様にも読みやすい文章で3パターン考えてください。
今度の連休、通常営業時間を1時間延長します。お客様へのお知らせ文を、インバウンドのお客様も読めるよう、日本語と英語の両方で作ってください。
SNS投稿でも、翻訳や多言語対応をする場合は、メニューと同じく価格やアルコール提供に関わる表記は人の目で最終確認してください。また、投稿する写真に他のお客様が写り込んでいないか、料理の在庫状況や営業時間など事実関係に誤りがないかも、AIではなく人が確認する部分です。
この3つに共通する注意点
- AIの出力はすべて「下書き」です。 メニュー、口コミ返信、SNS投稿のどれも、公開・提供の前に必ず人が目を通してください
- アレルギー表記・価格・酒類の表示は、特に念入りに確認してください。 ここを誤ると、お客様の安全やお店の信用に関わります
- やらせの口コミは作らない、投稿させない。 景品表示法(ステマ規制)や各サービスの規約に触れるおそれがあります
- お客様や予約の個人情報は、AIに入力する文章の中に書き込まない
この4つを守っていれば、無料のAIアシスタントだけでも、忙しい現場の負担を減らせます。難しいツールの契約やコンサルを検討するのは、この3つを実際にやってみて、「もっと先に進みたい」と感じてからで十分です。
次の一歩
まずは今週、メニューの中からよく出る1品だけを多言語化してみる。届いている口コミに1件だけ返信してみる。今日のおすすめを1投稿だけ、AIに下書きさせてみる。小さく始めて、自分の店の言葉に直す感覚をつかんでください。
このコミュニティでは、同じ札幌で同じ悩みに取り組んでいる飲食店の事例も、今後集めていきます。勉強会の日程は決まりしだいお知らせします。