社内FAQをAIで作る方法|小さな会社の質問集づくりの手順と注意点

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目次
結論から言うと、社内のよくある質問集(FAQ)は、質問を集める → AIに質問と答えの形へ整えてもらう → 答えの中身は規程や担当者が確かめる、の3ステップで作れます。そのうえで「規程の原文や個人名・給与などはAIに入れない」「更新の担当と頻度を決める」の2つを、作り始める前に決めておくことが大切です。AIが担当するのは形を整える下書きまでで、答えが正しいかを決めるのは会社の人です。
手順は5つです。
- 社員からよく聞かれる質問を、1行ずつ集める
- 個人名や給与などを消し、伏せ字に置き換える
- AIに、質問と答えの形に整えてもらう
- 答えの中身を、規程や担当者が確かめる
- 置き場所と、更新の担当・頻度を決める
社内のよくある質問集(FAQ)は、社内マニュアルと何が違うの?
マニュアルは「手順を順番に書いたもの」、FAQは「質問と答えの一覧」です。 請求書の発行のように、最初から最後まで作業を進めるときはマニュアル、「A課の備品はどこで申請するか」のように、知りたいことだけを探すときはFAQを使います。マニュアルの作り方は「社内マニュアルをAIで作る」で紹介しています。
| 項目 | 社内マニュアル(手順書) | 社内FAQ(質問と答え) |
|---|---|---|
| 形 | 番号つきの手順 | 質問と答えのセット |
| 読む場面 | 作業を通しでやるとき | 迷ったことを一つ知りたいとき |
| 作る元の材料 | 現場への聞き取り | 実際によく聞かれる質問 |
| 更新のきっかけ | 手順や道具が変わったとき | 同じ質問が増えたとき、規程が変わったとき |
マニュアルを作る余裕がなくても、FAQなら、10個の質問から始められます。ChatGPT、Gemini、Copilotなどで試せます(機能や料金は、サービスやプランによって違います)。
社内FAQには、どんな質問を集めればよいの?
総務や上司が「それ、前にも聞かれた」と感じた質問を、分野ごとに10〜20個集めます。 担当者が1週間分の質問をメモする、新しく入った社員に「最初に困ったこと」を聞く、といった方法があります。社内チャットを見返すときは、個人名を消してください。
| 分野 | 質問の例(架空) | 答えを確かめる人 |
|---|---|---|
| 経費 | 交通費の精算は、いつまでに出せばよいか | 経理の担当者 |
| 休みの申請 | 休暇の申請は、誰にいつまでに出せばよいか | 総務の担当者 |
| 備品 | A課の文房具が足りないとき、どこで頼むか | 備品の管理担当 |
| システム | システムBに入れないとき、どこを見るか | システムの管理担当 |
同じ意味の質問は、この段階で一つにしておくと、あとが楽になります。
AIに質問と答えの形へ整えてもらうには、どう頼めばよいの?
質問と、分かっている答えのメモを渡し、「書かれていないことは足さない」と約束してから頼みます。 AIは、会社ごとのルールを知りません。話に出ていない答えを、それらしく書き足すことがあります。【 】は自分の会社のメモに差し替えてください。
質問を分野ごとに分けてもらうとき
次は、社内でよく聞かれる質問のメモです。「経費」「休みの申請」「備品」「システム」「その他」に分け、似た質問は一つにまとめてください。【伏せ字にした質問を貼る】
質問と答えの形に整えてもらうとき
次の質問と答えのメモを、「質問」と「答え」のセットに整えてください。です・ます調で、新しく入った社員にも分かる言葉にしてください。メモにない答えは書き足さず、「(担当者に要確認)」と書いてください。【架空の例:質問「A課の備品は、どこで申請する?」 答えのメモ「システムBの備品申請から。期限は不明」】
答えを短くしてもらうとき
この答えを、専門用語を減らして、3文以内にしてください。意味は変えないでください。
「(担当者に要確認)」の印が残った所が、次に人が確かめる場所になります。
答えの中身は、誰がどう確かめればよいの?
答えが正しいかは、AIではなく担当者が、就業規則や社内規程、今の運用と見比べて確かめます。 期限、金額、申請先、システムの画面の表示などは、AIには分かりません。休暇や労働時間など法律が関わる答えは就業規則や社内規程で確かめ、迷うときは社会保険労務士に、経費の税金の扱いは税理士に確認してください。
| 確かめるもの | 確かめる人 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 期限・金額・条件 | 経理・総務の担当者 | 規程や最新の運用と一つずつ見比べる |
| 申請先・連絡先 | 各分野の担当者 | 今の担当や部署と合っているか見る |
| システムの操作 | 管理担当 | 実際の画面で操作してみる |
| 「要確認」の箇所 | 担当者 | 人が答えを書き込む |
規程の原文をAIに貼って答えを作らせる方法は、おすすめしません。社外に出ては困る内容が含まれることがあるためです。答えは担当者が規程を見て書き、AIには言い回しを整えてもらう、という分け方が安心です。
AIに入れてはいけないものは、何ですか?
規程の原文、社員の個人名、給与や評価の情報、パスワードは、AIに入れません。 打ち込んだ内容は、サービスを提供する会社のコンピューターに送られるのが一般的です。部署名やシステム名、取引先名は、「A課」「システムB」「取引先A」のように伏せ字にして渡します。仕上がった文書の中で、人が正式な名前に直せば、その文書をAIに貼り直さないかぎり、名前は渡りません。
無料プランなどでは、入力内容がAIの学習に使われる設定が初期状態のことがあります。サービスごとに違うため、仕事で使う前に、学習に使わない設定やビジネス向けプランがあるかを公式ページで確認してください。伏せ方は社外秘をAIに入れないための3つの型で説明しています。
FAQの更新の担当と頻度は、どう決めればよいの?
分野ごとに更新の担当者を決め、見直しの頻度(たとえば半年に1回)を、作る前に決めておきます。 古い答えが載ったままだと、社員が間違った申請をしてしまうことがあります。
- 置き場所を1か所にする。 全員が見られる共有フォルダなどに置く
- 分野ごとに担当者を決める。 経費は経理、休みの申請は総務、のように、答えを確かめる人と同じにする
- 見直しの頻度を決める。 半年に1回など。規程が変わったときは、すぐ直す
- 最終更新日を一番上に書く。 いつの情報か、ひと目で分かるようにする
「FAQに載っていない質問は、メモして担当者に渡す」と決めておくと、次の更新の材料になります。メモの整え方は「札幌の小さな会社がAIで日報・議事録・社内連絡を整える方法」も参考になります。変わった点だけをAIに渡して答えの下書きを直してもらう場合も、差し替える前に担当者が確かめてください。
まずは、この1週間に聞かれた質問を5つだけメモし、伏せ字に直してAIに頼んでみてください。「要確認」が付いた所を担当者に確かめてもらえば、最初の1ページができます。
よくある質問
質問が10個くらいしかなくても、FAQを作る意味はありますか?
あります。同じ質問に何度も答える手間が減るなら、10個でも意味があります。足りない質問は、運用しながら追加すれば大丈夫です。数よりも、答えが正しく、古くならないことを優先してください。
AIが作った答えが、規程と違っていたときはどうすればよいですか?
規程と担当者の確認が優先です。AIの答えは下書きなので、違う箇所は人が直してください。同じ間違いが続くときは、答えのメモをより具体的に書いて、頼み直してみてください。
社員がFAQを読まず、結局担当者に聞いてしまうときはどうすればよいですか?
見つけやすい場所に置く、質問を社員が使う言葉に合わせる、新しく入った社員に最初に案内する、といった工夫があります。原因は会社ごとに違うので、社員に「読みにくい所はどこか」を聞いてみてください。